プロの馬券師は、競馬で勝つために馬主の確認にも力を入れています。
馬主を確認する理由は、厩舎での調教以外にトレーニングセンターを利用するためです。かつては調教技術や施設の充実度が現在より劣っていたため、特に休養明けの馬は大きく割り引く必要があり、G1を勝つような馬でさえ格下の馬に敗れることが多々ありました。
現在の競馬で、調教技術の向上以外に、馬のパフォーマンスに大きく寄与しているのがトレーニングセンターの存在です。大手牧場は最新の調教施設を完備し、放牧明けの馬が入厩前にトレーニングを積むことが可能となりました。このため、一部の馬主やその関係者の馬に関しては、休み明けにも関わらず高いパフォーマンスを示すことが可能となっています。
以前のように、休み明けという理由だけで無印にしたり、評価を大きく割り引くようなことはできなくなりました。中でもノーザンファーム系やそれらと関連が深い場合は、充実したトレーニングセンターで調教が積まれるため、休み明けでも要注意となります。
しかし、トレーニングセンターの充実は、メリットだけでなく少なからずデメリットもあります。放牧後は入厩前から負荷がかけられるため、故障明けの馬が再度故障を発生することもあります。JRAの芝コースは長い間改良が重ねられてきたこともあり、以前とは比較にならないほど脚元に負担の掛からないコースとなりましたが、過渡な運動により発症すると言われている屈腱炎を原因とした引退は、現在も跡を絶ちません。